あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜

本が白く輝いた後、未来たちの目の前に姿を見せたのはフェニックスだ。炎に包まれているが、未来たちが熱さを感じたり火傷をすることはない。

「この炎ならきっとあの魔法に勝てるはず!さあ、みんな乗って!」

未来はフェニックスに飛び乗り、驚いている帆高たちに笑いかける。すると大地が「コイツなら頼れそうだな」と言って飛び乗り、帆高も「僕も乗るばい!」と言う。瑠花や英美里、そして瀧もフェニックスに乗った。

フェニックスは全員が自身に乗ったことを確認した後、美しい鳴き声を上げて空へと炎に包まれた羽を羽ばたかせる。フェニックスに向かって魔法は飛んでくるものの、フェニックスの炎に触れるとかき消されていった。

「フェニックスの炎に対抗できないってことは、この魔法を放っているのは低級の悪魔だってことかしら」

英美里がかき消される魔法を見て安心したような顔をする。それを見て瀧が「そう言って安心するのは危険だ」と言う。確かに、これからどんな強い存在と戦うことになるかわからない。