「今日はついにエルルカとの戦いじゃけん。気合、入れる」

瀧がそう言い、小説の中で何度も放った弓を見つめる。瀧が弓使いとして活躍できるのも、大地が剣士として剣が触れるのも、帆高が考古学者として文字が読めるのも最後だ。

みんなの顔に寂しさや悲しみが現れる。それを壊すかのように瑠花が言った。

「これで最後って決まったわけじゃないでしょ?暗くなるのは全て終わってからにしようよ」

「そうだな。暗くなるなんて俺ららしくないもんな」

大地がそう言い自分の頬を叩いて笑い、帆高たちも真剣な顔を見せる。未来も「前を向いて!」と自分に言い聞かせた。そうすれば、少しずつ心から悲しみが消えていく。

「行こう」

英美里がそう言い、未来たちはエルルカが住んでいるお城に向かって歩き出した。



エルルカの住むお城に近づけば近づくほど、辺りの景色はどんどん廃れていく。未来たちが今までの旅で目にしてきた街などはどこにもない。ただ、荒れ果てた大地が広がっている。

「なんか不気味……」