「さて、さっさとコイツらを警察に突き出すか」

大地がそう言い、部屋を出て行った。瑠花たちもゆっくり部屋から出て行く。部屋には未来と帆高だけが残された。

「未来ちゃん、無事で本当によかったばい。攫われたって知った時は本当に怖かったけん」

そうポツリと呟く帆高の体は震えていた。未来は何故か体が勝手に動き、帆高を抱き締める。互いの鼓動が耳に響き、その心地よさに未来は目を閉じる。

「ありがとう。本当に、ありがとう……」

鼓動は止まない。二人の中に新しい感情や色が見え隠れしていた。