一瞬寂しげにダミアンはそう言い、「でも」と杏菜を抱き締める。

「君は違った。僕のことを何も知らなかった。そして、君のあの時の笑顔が忘れられなくて、君のことをずっと見てた。気持ちが我慢できなくなって、つい誘拐してしまった」

ダミアンがそう言った刹那、杏菜は顎を持たれ唇に柔らかいものが触れる。ダミアンと唇を重ねているのだ。

「んっ、んんっ!んんっ〜」

杏菜は抵抗しようとするが、ダミアンに何度も噛み付くようなキスをされ、頭がクラクラして抵抗する気力を失ってしまう。そして一瞬のうちにダミアンに杏菜は押し倒されていた。

「本当に可愛い……」

ダミアンに熱のある目で見つめられ、杏菜はドキッとしてしまう。スッと優しく撫でられた頬が心地よかった。

「杏菜の家には連絡してあるから安心してね。これからたっぷり甘やかして、僕のそばから離れられなくしてあげる」

まずはキスに慣れようか、そうダミアンから言われ杏菜の口はまたダミアンの口によって塞がれてしまった。

激甘な生活は、まだ始まったばかり。