「体調どぉ?」
「うん、順調」
「お腹の子も?」
「うん、順調」
梨花さんのお腹に手を当てた
「パパの手、大きくて
気持ちいいって
赤ちゃん言ってるよ」
「早く、抱きたいな…」
「りっくん
ママも抱きしめてよ」
「うん…梨花…」
そっと抱き寄せた
ーーー
「ワン!ワン!」
「りっくん!りっくんもおいで!」
梨花さんがりっくんを抱えた
新居にりっくんが来た
「りっくん、ヨシヨシ…」
「ねぇ、ややこしくて
嫌なんですけど…」
「だって…仕方ないもん
ね!りっくん!」
「ワン!」
ワン!じゃねーよ
ーーー
ーーーーー
「梨花…
オレの、梨花…」
「ウー…」
ヤキモチやいてる
犬のくせに!
「痛て!
噛んだ!」
「もぉ、りっくんダメだよ
仲良くしてよ」
「ウー…ワン!ワン!」
「オレのだから!」
ーーー
「りっくん!」
「ワン!ワン!」
ーーーーー
「ちょっと、りっくん…」
「なに?…好き…梨花…」
ーーー
ーーー
「ワン!ワン!」
「りっくん、好きだよ」
「どっち?
まぎらわしーわ!」
「ワン!」
「どっちも」
ーーーーー
オレのだから
梨花
「ワン!」



