トントン…
え、なに?
トントン…
「…はい…?ノア?」
「失礼します」
ノアがかしこまって部屋に入ってきた
???
「なに?」
「よろしくお願いします
履歴書書いてきました」
「は?」
ノアがオレに封筒を渡してきた
封筒を開けたら履歴書が出てきた
『奥川 乃亜』
なに?
なんでオレに?
『志望動機
ー
初めて会った時
私のことを叱ってくれた
もぉ会ったらダメだよって
他の人にも会ったらダメだよって
心配してくれた
ー
他の人に会いたいとなんて思わない
私はこの人だから会いに来た
会いたいと思った
ー
会ってみて
また会いたくなった
ー
何度も会って
好きになった
人として
男の人として
私の初めて好きになった人
ー
ずっと一緒にいたいです
この人に永久就職したいなって
心から思いました』
柔らかい綺麗な文字で
そう書いてあった
普段、パソコンの文字ばかり見てるから
新鮮だった
「質問があったらお願いします」
よく、理解できない…
志望動機は
志望動機の欄から溢れてて
「もっと書きたいことあったんだけど
書ききれなくて…」
ノアが言った
面接?
履歴書?
永久就職???
「ルカ
最初は契約社員で構いません
…
それで
よかったら正社員にしてください
…
貴社に尽くします!
毎日ご飯作ります!
毎日一緒にいたいです!
仕事の邪魔はしません!
専業主婦がダメなら
近くのスーパーとかコンビニでパートします!
…
お給料は、いりません!
その代わり
たまに好きって言ってください
…
だから…
だから…
私を、ルカのそばに置いてください」
契約社員?
正社員?
永久就職?
もしかして…結婚…てこと???
オレと?????
「ノア、待って…」
「れどくらい待てば
合否いただけますか?」
「そーゆー待って、じゃなくて…
面接って…
コレ、面接とかじゃ…
…からかってる?オレのこと」
「からかってなんか、ないです」
「ノア…
自分の将来のことなんだから
もっと真剣に考えろよ!」
つい怒鳴ってしまった



