瑠珈が帰ってきた



「瑠珈も飲む?」



「あー、うん、ありがとう」



「で、話ってなに?」



プシュ…



「ノアがこの春、高校卒業するんだけど
卒業したら
ノアと一緒に住みたいな…って思ってる」



「え?同棲するってこと?」



展開、早…!



「うん
ノアの親にまだ許可とってないけど
最近、ノア泊まりたがるし
オレも一緒にいたいな…って
なんか、思うんだ」



「へー…好きなんだな、ホントに…」


自分で言ってオレがニヤけた


瑠珈、を見たら真剣だった



「で、泊まりたがるとか…
もぉやったってこと?」



「いや…まだ…」



「なんで?
瑠珈、それ目的だったじゃん」



「まぁ…そぉだったかもしれないけど
それもノアが卒業してからって思ってる」



「なんか変わったな、瑠珈」



恋愛って、人を成長させんのかな…



「そおかな?

けど、ノアといると
なんか、オレじゃないみたいって
自分でも思う時ある」



「うん、瑠珈じゃないみたい
いい意味でね

キスはしたよね?」



「…いや…」



「見たけど、オレ…
駅で
マスクの上から…」



「え?マジ!」



「瑠珈じゃなかった?」


わざと聞いた



「たぶん、オレ…」



「なかなか、積極的だね
乃愛ちゃん」



「けど、それしか…」



「え、アレだけ?
毎日家に来てんのに
毎日キスしてないの?」



「ノアは、したそうだけど…
どぉしていいか、わからない」



「どぉして…って?」



「キスしたら…
その先もしたくなるだろ」



「うん、なるかもね
別に付き合ってんだし、いんじゃん?
自然な流れだよ」



オレと梨花さんは付き合ってなかったし



「ノアのこと、大切だから…
やっぱり、卒業するまでは…」



んー高校生だしね



「瑠珈って
意外とちゃんと考えてるよな」



「大切な人だから…
ちゃんと考えてあげたい」



大切な人、ね…



そんなふうに思ってるんだ

あの子のこと