Z先生と一緒にいられたのはたったの二時間。
学校の授業で二時間であれば地獄だが、Z先生との授業がたったの二時間だったのは本当に短すぎた。
この時はまだ担当の先生が決まっておらず、もしかしたらもうZ先生に会えないのではないかと恐怖さえも覚えていた。
だから、もし最後だった時のために私はZ先生に一言かけた。
「先生、わかりやすかったです。」
「ああ、本当?」
帰って来た言葉はそれだけ。さっきまであんなに優しくて一緒にいて楽しかったのに、目さえも合わせてくれないそのそっけない態度がひどく胸に突き刺さった。
同時に恥ずかしさも覚えた。
ああ、私は何をしているんだろう。普通に考えて変な人に決まってるじゃん。
言って後悔した。
今でも鮮明に覚えている。
やっぱり、Z先生嫌だったかな。だとしたら申し訳ないな。
落ち込んでしまってはいたがそれでもZ先生との時間が楽しくて、やっぱりZ先生がいいと思っていた。
