そんなことがあった翌週。
課題をしようとリュックを探っていると、ふとペンポーチがないことに気付く。
「あれ…?」
昨日の記憶を手繰っていく。
…あっ。
HRの時に使って、机の中入れっぱなしか!
まずい!
反射的にそう思って時計を見る。
時刻は9時を指している。
俺は全日制高校に通っているけれど、通信制も併設している所で、土曜はそのスクーリングの日だから、ペンポーチをそのままにしておくわけにはいかない。
9時20分か30分から授業が始まるはずだ。
歩いて10分だから、走れば何とか間に合うはず!
わざわざ制服で行ったら、逆に怒られそうだし…外に出られるレベルの部屋着だから、このままでいいや!
そして俺は携帯だけ持って、慌てて家を出た。
鍵…は、晃聖いるし大丈夫でしょう!
ダッシュで学校に向かう。
着けば9時7分と、歩いた時の半分以下で着く。
お…もっとギリギリまで寝れることが証明された。
それはともかく。
廊下を歩いていると、何となく見覚えのある後ろ姿がある。
…んー?
あっ!先週の子!!
「ねえ、こないだの…!」
引き止めようと声を上げると、彼女はビクッとしてこちらを振り向いた。
顔を見て、確信した。



