そう考えると、どこか頑張ってるような雰囲気は、俺を待たせてしまってる、といったような気持ちから来ているのかもしれない。

吃音症の人は、HSPもあることが多いって言われてるから、必要以上に気を遣ってしまっているのかもしれない。


「……ありがとう、ございました」


彼女はそう言った。


「へ?え、わざわざそれ言いに追いかけてきてくれたの?」

「……はい」


落ち着いた調子でそう返してくる。

わざわざ追いかけてきてくれたと思ったら…!


「そっかそっか。嬉しいな」


気持ちいいもんだ。

特に感謝されたくてやったわけじゃなくても。


「どういたしまして!…なんか、逆にありがとう!」


そう返せば、彼女は軽く会釈してから歩き出した。


素直ないい子だったな…。


「また会いたいかも…」


彼女の背中を見送りながら、思わずそう呟いていた。

何だろう、この感じ。

はっきりしなくて、よく分からない。


…で、あれ?
俺、晃聖に何頼まれたんだっけ。

ミートソーススパゲティだったか。
俺も一緒で、って言ったんだから、俺が食べたいと思ってるやつだよね。

そう思って買って帰ったら、ナポリタン…って言われたのは言うまでもない。