「今週末、一緒にお出かけが決まりました!」

「よっ!」


真の謎の掛け声で、5人から拍手で祝福される。

…いや、何で。確かに嬉しいけど。


「どこ行くの?」

「え、ゲームセンター…」

「はい?」


爽が真っ先に怪訝な表情を浮かべる。


「気になる女の子と?」

「はい」

「初めてのお出かけで?」

「はい」

「それがゲーセンて!」

「…はい」


何で説教食らってるんだ…?


「初デートは、やっぱ水族館でしょ!」

「…どこ理論?」

「稲葉爽理論」


いつもはゆるふわ系のくせに、恋愛とか女子が絡むと急にワーッと話しだすよなぁ…。


「なんか誤解してるみたいだけど、俺から提案したわけじゃない」

「待って、紀乃ちゃん何者?」


誠也が頭にハテナを浮かべながら尋ねてきた。

直接話してると、大人しそうな印象が見受けられるけど、それはあくまで話し方の問題であって。

LINEだと、割と元気な子っていう印象な気がするかな。


「…優しくて、素直で、比較的明るくて、気遣い屋さんで、可愛い子」

「え…何それ惚れる…」

「やだ、やめて」


紘尚の心を射止めてどうする。


「1人じゃ行きにくいから、優聖と行きたいってとこか…」


珍しく愁翔が解析に入った。


「あー、なるほどね。じゃあ優聖、安心して」

「俺だってそんなことだろうと思ってました!」