「ま、送ってみなされ」
「え、軽っ!何その投げやり感!」
「情報が無さ過ぎる。
それにアドバイスとか、無謀過ぎる」
まあね。それはごめんて。
「その代わり、俺が後押ししてやる。
ほら、見ててやるから送ってみそ?」
「男気を見せてやろう!」
何故か深呼吸をして、文章を打ち始める。
「誠也と優聖、何してんの?」
「楽しそうなんだけどー」
「結局イケメンはこうやって売れてくのな」
「ついにお兄ちゃん系王子にも春が…」
「その件はもうやった」
順に、バスケ部の紘尚(ひろなお)、ダンス部の爽(そう)、サッカー部の愁翔(しゅうと)、野球部の真(まこと)が近寄ってくる。
紘尚はバスケ部で何となく繋がり分かるけど、他の3人はクラスが一緒って所しか共通点が無い。不思議な6人組だけど、よく一緒にいる。
…って、何で野次馬増えてるの!
「御影優聖くん、気になる子をデートに誘う…の巻!」
誠也…。余計なことを…。
まあ気にせず、
<御影優聖です!>
<連絡遅くなってごめん>
<今週の土曜日ってどう?>
と送る。
「送ったよ」
「いつの間に」
5人にトーク画を覗かれる。
「何だよ、普通かよ」
「俺に何を求めてたのっ?」
紘尚のチェッといったような反応に、そう答えるしかできない。
いつ返ってくるか…。
そう思いながら6人で見ていると。
「あ、既読ついたじゃん!」
真が急に耳元で声を上げる。
やめてください。
鼓膜吹っ飛ぶかと思ったんだけど。



