連絡先を交換してから数日…。


まだ何も送れてません!!


どうしよ…俺こんなに行動力無かったっけ?

後先考えないで大学生から守ったり、半ば無理に理由作ってLINE聞いたり。

あの頃の俺はどこへやら。


昼休み、机で背景のみのトーク画とにらめっこ。


「美形イケメンが何膨れっ面してんのー?」

「うぉっ」


同じバスケ部員でもある誠也(せいや)が、突然肩を組んでくる。


「何、女子とLINEしてんの?Kinoだって」

「ちょ…」

「木野さん?紀乃ちゃん?」

「紀乃ちゃん。
…って、俺も何正直に答えてんの!」

「最近知り合ったん?」

「ん…まあ、ちょっと」

「うわー、濁すねぇ…」


説明したら長くなる。


「ねえ誠也」

「何?」

「気になってる女の子に、最初のLINEってどうやって送ればいいと思う?」

「…は?」

「だからー」

「皆のお兄ちゃん系王子様、優聖くんにも春がやってきた感じ?」


もうすぐ秋だけど。

何なの?その、こすりまくったネタは。

恋=春って、どういう方程式なんだろうか。


「それはともかく。…遊びに誘いたい感じ?」

「うん、まあ。だけど、彼女のこと何も知らないからさ」

「あー、趣味とか?」

「分かんない」


遊びに誘うと言っても、今回はハンカチの返却をされるだけ。

あまり多くを望むわけにはいかない。