学校も部活も無い今日。
両親は今日も仕事だから、昼食を買いに行くことにした。
大抵は自分で弟の分までチャチャッと作るけど、なんか今日は暑くてキッチンに立ちたくない気分。
…そう考えると、お母さんって凄いよなぁ。
仕事でいくら疲れてても、キッチンがどれだけ暑くても、手際良く家族4人分作ってしまうんだから。
「晃聖、お昼ご飯買いに行くけど、何か食べたい物とか、その他欲しい物ある?」
「えええっと、スパ、スパゲティ」
「具は何でもいい?」
「ナポリ、リ、タン」
「ナポリタン?…じゃ、俺もそれにしよ」
「い、行って、て、らっしゃい」
「うん、行ってくる。待ってて」
財布と携帯だけポケットに入れて、身軽な格好で近所のスーパーに向かっていた。
お昼時とあって、太陽がやたらと照りつける。
自己主張が激しい!
…なんて、気温に対して文句を覚えつつ。
向かい側の道を、大学生くらいの男性3人が歩いていた。
その手前、丁度俺の少し前くらいを女の子が彼らの方に向かっている。
危険を察知したかの如く彼女は彼らをよけるように端に寄っていた。
何でか、それが目に付いた。
だけどその大学生の1人が彼女とぶつかり、持っていた飲み物をぶちまけた。
内容までは聞こえないけど、明らかに口論になっているように見えた。



