夏休み後半の登校日。



「おはよう咲季ちゃん」



眠そうな目を擦りながらホームに現れた上杉くん。



「おはよう。………ごめんね、こんな時間で」


「たまには早起きしなきゃね。それより咲季ちゃんの学校に行けるのが楽しみだよ」



今日の登校日は上杉くんが一緒に行く事になった。



本当はそこまで面倒かけたくないから遠慮したけど、上杉くんは「俺が勝手にストーカーするだけだよ」と言って譲らないので私がお願いして一緒に行く事になった。



いくらただの登校日だからと言って、学校のそばで上杉くんだけを炎天下の中、何時間も見張らせる訳にはいかなかったから。

多分前回の登校日と同じで昼には帰れると思う。

それまでは駅前のネットカフェで待機してくれるように頼んだ。



相沢くんは今日は昼からバイトなので上杉くんと私の二人きり。



私は上杉くんと二人きりの状況が別の意味で少し怖かった。