「咲季ちゃんは晃司以外に好きな奴いるの?」



…………はい?



晃司以外?



ってか、私が相沢くんを好きかもという前提っ!?!?



焦りながらも相沢くんと同じくらい、という訳わからない尺度で考えて宣言した。



「上杉くん!」



吐き出した言葉に吃驚したのは相沢くん、上杉くんだけではない。



……はぁ!?私なに言ってんのっ!?



「本当に?じゃあ咲季ちゃん俺と付き合おう」



喜んじゃってる上杉くんが急に獲物を狙うかのような目で迫ってきて頬に手を添えてきた。



ぎゃーーーーーーーーっっ!!!



パニクった私は上杉くんの目を見ないようにと慌てて目を瞑った。



「いい加減にしろっ!」



怒った相沢くんの声がすぐ近くで聞こえてほっとして目を開ける。



が、何も見えない。

というか見覚えあるシャツしか見えない。



「お前が変な事言うから咲季が困ってるだろ!」



頭上で聞こえる声でやっと状況が把握出来た。



…………相沢くんに抱きしめられてる?



一度は安心した気持ちが再沸騰して脈を速めた。



慌てて離れようとするが、キツく抱きしめられていてビクともしなかった。



…………ウソ、なんで?



次々と訳わからない誤解が生まれたこの状況に頭がプツリとショートした。