次の駅で金田を拘束したまま、山本弟くんの仲間2人が降りて行った。 山本弟くんと仲間一人だけが電車に残って私達の側に戻ってきた。 「お前も急に金田の手を払って庇うから焦ったよ」 「しょうがないでしょ。そうしないと伊藤さんが捕まっちゃうとこだったんだから」 彼女は私の拘束をやめて隣の席に座り、目の前に立つ山本弟くんと話しをしていた。 その親しげな様子をぼんやりと見つめていた。