放課後、私のいる2階の教室から見える運動場でたくさんの女の子たちから騒がれている男の子。

上原 柊 くん。

私の好きな人...

上原くんと特別な接点もなければ、作ろうとも思わない。

積極的とはかけ離れた私には遠くから見てるくらいがちょうどいい。



──────────上原くんと特別な関係になるなんてこの時の私はまだ知らない。





後ろで軽く低く結ばれた後ろ髪、目が隠れるくらいまで伸びた前髪。

私は昔から人と関わるのが苦手な子だった。

だからといって友達がいなかった訳でもないし、こんな地味な見た目をしていてもいじめられたりすることもなかった。