君がいたから 陽翔、結菜side



「…熱い 」


蓮先生と陽翔がいなくなってしばらくして…
結愛のおでこを触って見ると、予想以上の熱さで思わず声を出してしまう。

用意されていた氷まくらも解けてしまっている。


顔から汗も出ているし、
冷たいタオルで拭いてあげないと…


病室内の洗面台にある、水道までいきタオルを濡らして
そっと結愛の顔に当てる。


ひんやりと冷たいタオル越しに
結愛の熱が伝わってきた。


………これは、キツイよね。


私も、熱はよく出す方だけど、それよりも
全然辛そうで、胸がキュッと痛くなる。


この苦しみから救ってあげたくても、何もできない…



タオルが熱くなってしまったから、再び冷やすために洗面台に移動しようとしたとき…


「……………蓮 」


力のない声が耳に入る。


眠りながらなのに、結愛は蓮先生のことを呼んでいた。


蓮先生に助けてほしいんだよね………


たまらなくなり、
無意識のうちに結愛の顔に触れてしまう。


すると、ピクッと結愛が動いて目を開けてしまった。