君がいたから 陽翔、結菜side


「わかった。言わないよ

あと、今日結愛の回診の時間にくる?
もちろん結菜が辛かったら無理はしなくても良いよ 」


「…行くよ 」


今日の朝の回診のときに、
結愛に検査結果のことを言うから

陽翔は気を遣ってくれている。


私だって昨日の残酷な話なんて二度と聞きたくない。


でも、自分の娘のことだし、

結愛の方が何十倍も辛いはず。


自分だけ逃げていい理由なんてない。

そばにいて少しでも、支えてあげないと。



「じゃあ、またあとでね
結愛の回診は8時頃だから 」


「…うん 」


手を振って出ていく陽翔に
作り笑いだったけど、笑顔を向けた。


そして、陽翔が出ていくと時計を確認する。

まだ6時半で、時間はあったけどゆっくり寝られるような気分じゃないから、着替えよう。

なぜか、病院の貸し出し用の
パジャマに着替えさせられているし…


結愛には家から来たように見せるから
昨日着ていた服に着替えて、

カバンから道具を取り出し、身だしなみ程度の化粧をする。