起きてから1時間ほどたった。
薄明るいオレンジ色の部屋が、だんだんとはっきりした明るさになってきた。
「結愛、そろそろ仕事いくから、ごめんね 」
「うん…頑張ってね 」
私の背中にあった、陽翔の手が離れてそっと頭を撫でてくれた。
ずっと、陽翔の温もりの中にいたから、
少しだけ体にスーッと寒さを感じる。
「陽翔、結愛には入院していたなんて
絶対言わないでよ 」
こんな弱いところ見られたくない。
結愛は優しい子だから、自分が辛いときでも
私が入院したなんて知ったら心配してくれると思う。
一番つらいはずの結愛に
私のせいで心配なんてかけられない…
絶対に昨日倒れたことは隠さないと…


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