君がいたから 陽翔、結菜side


「ん………? 」

目を開くと真っ白な天井。

嫌な消毒液の臭い。

しっかりと陽翔に握られた手。


高校生のとき白血病で入院した時と同じような感覚だった。私なんでこんなとこに?

疑問に思っていると、陽翔の顔が真上にうつる

「結菜、もう苦しいところない? 」


「大丈夫… 」


「本当良かった。まだ無理はするなよ 」


心配そうに私の顔を見る陽翔。

その姿を見てぼんやりとする頭がだんだんはっきりして

意識を失ったことも、その前に言われた結愛の病状のことも思い出す。


「結愛はどうしているの?
言ったのあのことは? 」



「結愛はまだ寝ているよ
今日の朝、蓮が回診のときに言うつもり
結菜が倒れて入院したことも知らないから安心して 」


そう言われて初めて、今が明け方ということに気がついた。


病室の窓からは
昨日車で見たのと同じオレンジ色の光が差し込んでくるけど、朝日だったんだ。