「結菜、おいで 」
病院のに入る前、陽翔に思いっきり抱きしめられる。
私の背中に回された腕には力が入っていて、痛いくらい
でも、それよりも心の方がはるかに強く締めつけられているように痛くて苦しい。
「蓮が待っている部屋にいくよ 」
しばらくすると、陽翔の体が離れ、手だけ握られて、そっと病院の中に引っ張られる。
そうだよね…
蓮先生待たせているんだから
グズグズなんてしたらいけない。
ツンとする消毒液の臭いで、怖さも増してきたけど、どうにか足を動かして、小さな部屋の前まで移動した。
「結菜、入ろっか ? 」
怖くて固まっていると
カンファレンスルームと書かれているドアを陽翔が開けて、背中を押してくれた。