学長の娘とかなら良かったのに、とは、落ち込んだ彼女の妄想のひとつ。

ならば次期学長にしますから、との約定のもと、結婚すら迫れるものを。
などと、昼ドラ風味の展開をしたり。

白のイブニングドレスで婚約発表~! 
先生は素敵なタキシード~! 

あくまで妄想なので、なんでもありだ。心の中だけですから。


 だが。

 ふたりはここで出会っている。

 運命?


 雪野の声が上ずるのも当然、テンションが上がる一方なのも仕方のないことと、……思ってあげても良い。

情けをかけて。