頭をよしよしされて

「実は…」

持ちかけられた話はこうだった。

田辺蒼。爽やかなイケメンの顔を持つ彼が女子達の的になら無いわけがない。
そこで、いちいち断るのも面倒だし、かといって、手当たり次第というのもどうかと…
そんなんで、自分に全く興味がなく、色目をつかってもなびかない、私に偽りの彼女をして欲しいとの事 だった。

「あんなに、爽やかな笑顔を振りまいても、ちっともなびかないんだもんな…まぁ、後腐れなくて良いけど!」

しかも餌でつられてしまったのは、紛れもなく私だった。

俊哉君の写メゲットー!!!

「っか、お前キモイ」

えっ?
今、キモイって言ったの誰??

「ただでさえ、トロイのに…もたもたすんなよ」

えっ…
どういう事?

「いや、もうあんたに営業スマイルいらないでしょ!あぁ、それと、少しは外見みがけよ!」

えっ…

今私とても酷いこと言われたような気がする…

さっきまで、キラキラのオーラで爽やかな笑顔を見せていた人だと思う。

「じゃあ、よろしくな!っーか必要な時に呼び出すから、それ以外は極力近寄らないで良いから!それと、話しかけんなよ!」

えっ……

何この人…

そんな人にまんまと、はめられたのは、私だ…