「君が好きだ。僕の事は、これから知っていけばいい。兎に角僕は、君が好き。よかったらお付き合いしてもらえないかな?」
好青年…
制服も定められたルール通り着ていて
富永とは大違い
「…すみませんが私、全く知らない人と付き合う気にはなれません。まずは友達からで、いいですか?」
その人は、微笑んだ
「大丈夫だよ。今君が僕を好きじゃなくていい。嫌いでなければ、OKの返事をくれたらいいよ。絶対に僕を好きにさせてみせる。自身があるんだ」
「いえ、でも…」
「僕のことが、嫌い?」
「いえ決して、そんな事はないんですが。全く知らない者同士がいきなり恋人同士として付き合うだなんて、考えられません」
「これから知ってくれればいいよ。きっと君は僕を好きになる。もしも嫌になったら、その時はきっぱり振ってくれればいい」
それなら、
友達から始めればいいんじゃないか、
という疑問を残したけど
「…分かりました。じゃあ、本当に嫌なら、きっぱりお断りさせて頂くと思いますが、よろしくお願いします」
まあいいや、
と軽い気持ちでOKを出した
「よかった。でも君は僕を必ず好きになるよ。あと、敬語なんて使わないでいいからね。僕のことは省吾でいいから。君の事は杏子って呼んでもいいかな?」
「はい」
好きでもない相手と
付き合うなんておかしいよね
でも世の中、おかしいことだらけじゃない
まあ外見は悪くないし
性格はちょっと、いや、
かなり強引だけど
嫌ならきっぱり断ればいい話だし
退屈だし