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真っ暗闇の中、アナベルは絶叫した!!

「クッッッソ暗いですわーーーー!!!!」


ロシアのお嬢様・ジーナと魔法勝負をすることになったアナベル!!
ふたりが勝負をするという噂が学校中に広まったころ、となりのクラスの玲玲(リンリン)が教室を尋ねてきたのである!
そして、一枚のカードを差し出して言った――アナベルに紹介したい人がいる、と。

「あの紙には詳細が書いてあるんじゃなかったんですのーーー!? ここどこですのーーーー!?!?」
「おそらく、呪文か何かの一種だったのでしょう。転移系だと思います」

執事は思考する。
魔法をかけた本人――術者以外の生きた人間を急激に移動させるような魔法は、かなりの難度である。しかもふたり同時にという離れ業を使った。
以前調べておいた玲玲の情報のうち成績事情を鑑みると、術者は彼女でない可能性が高い。

「玲玲には協力者がいたようです」
「その名前を呼ばないでいただけます!? 私のことはお嬢さま呼びのくせに!!」
「彼女の苗字を知らないので」

玲玲の苗字と乙女心が分からない執事!!

「とにかく出口を探しましょう。空気の感じは地下室のようですが……」

彼は少し考えたあと、小さく呪文を唱え、指先に火を灯した!

そして――絶句する!!

ふたりがたっているのは冷たい石造りの廊下。
そして、出口と思しき扉。

それとふたりの間には、何らかの仕掛けで動くらしい巨大な刃や棘だらけの天井や明らかにヤバそうな液体の入った水槽やら――


――めちゃくちゃ罠が張り巡らされていた!!