甘い恋には程遠い


知ってる。篤人くんはいつでも笑ってた。
その日が最悪な1日やったとしても笑ってた。
私の事を慰めてくれた、あの日。
ブランコを押してくれた小4の夏。
篤人くんの両親は離婚した。

お父さんも。お母さんも。
両方ともに愛人がいて…
こじれてこじれて…離婚した。

篤人くんとお母さんがおれへんくなった
隣の家からは篤人くんのお父さんと
再婚した篤人くんと同世代くらいの女の人と
赤ん坊の泣き声が聞こえくる。

…幸せ?…篤人くんが…幸せやなんて。
思われへん。…幸せな訳ないやろ。

桃花「…語らんといて。大神が。
篤人くんを…語らんといて。
私と篤人くんの思い出を。
篤人くんの辛かった過去を。
踏みにじらんといて。」

そうやないと思てた。
大神は、ちゃんと分かってくれる人やて。
悲しい思いを経験した大神になら
ちゃんと伝わる思てた。