甘い恋には程遠い


パンの袋をクシャッと丸めた
大神は私の元までやってくると
弁当箱の中から小さめの
ハンバーグを手に取った。

桃花「結局、食べるんや。」

慧「勿体ないだろ。」

桃花「うん、せやな。
箸使う?…なんとっ!
大神の分もあんねんで!」

返事をする事はなかったけど
素直に私の手から箸を受け取った
大神は無言のまま弁当を食べてくれた。

桃花「どう?美味しい?」

慧「ああ、まあな。」

桃花「うちのお母さん。
めっちゃ料理上手やねん。
栄養士の資格も持っててさ。
この弁当もほとんどが手作り!凄ない?」

慧「まあな。」