甘い恋には程遠い


桃花「今時、壁ドンって。
時代遅れちゃう?」

慧「なあ。」

桃花「何?」

慧「お前、殺したいくらいムカつく。」

その目はほんまに鋭くて
私がか弱い女の子やったら
泣き出すやろうなって思った。

でも、残念ながら私は
か弱い女の子やない。
多分、度胸は人一倍あるし
小学生の頃から空手を習ってるから
力の方もそれなりに自信はある。

桃花「良かったわ。
あんたの口が飾りもんとちゃうかって。」

慧「お前、頭おかしいんじゃない?」

桃花「その言葉、そっくり
そのままお返しするわ。」

柱についとった手を離すと
大神は、スタスタと教室に向かって
歩いて行った。