甘い恋には程遠い


多分、今の私は凄まじいほどに
ブサイクで。泣いてんのか
怒ってんのか自分でも分かれへんくて…。
きっと、すごい酷い顔をしてる。

慧「…どっちかにしろよ。」

そんな私を見つめながら大神は呆れてた。

慧「泣くか怒るか、どっちかにしてくれ。
そんな顔で説教されちゃ
何も言えなくなるだろ。」

大神はポケットから
クシャクシャに丸まった
ティッシュを取り出し手渡すと
カバンを引っ提げて教室を出て行った。

桃花「…汚いわ!!」

教室を出る瞬間、ほんの少しだけ
大神が笑ってたような気がした。
勘違いかもしれへんけど…。

大神がくれたティッシュが
使用済みやない事を願って
私は、それで涙を拭いた。