甘い恋には程遠い


ーガチャバンッ

桃花「おはよう。大神。」

横目で私の事を見た大神は
挨拶を返す事なく
靴箱からスリッパを取り出して
廊下を歩いて行った。

私もその後を追いかける。

桃花「挨拶くらい返してえや。
挨拶は人間の基本やで。」

こっちが明るく話しかけてんのに
何にも喋らん態度にイラッとした。

桃花「あんたの口は飾りもんか?
口の形したアクセサリーか?
違うかったら証明してみ?
あんた、今、めっちゃムカついてるやろ?」

しばらく黙っとった大神は
職員室の横にある大きめの柱に
私の体を打ちつけた。
と言っても、体に触れる事はなく
所謂、壁ドンのめちゃくちゃ乱暴なやつ
みたいな形で私を柱に追い込んだ。