目が覚めると、知らない世界にいた。
いつもの硬い木の床ではなく、ふかふかのベッドの上にいた。
起きあがろうとすると、体に鋭い痛みが走って、思わず寝転んでしまう。
部屋の扉があいて、同い年くらいの男の子が入ってくる。
「あんた。庭に倒れてたんだぜ。体を強く打っているから、動かない方がいい。」
「貴方こそ、誰?」
「俺はフェルプス。この戦士育成施設の生徒だ。」
「戦士育成施設?」
「あぁ。戦争にいく兵士を育てる特別施設だよ。それにしても、あんた一体何処から来たんだ?見ない服だしよぉ?」
確かにこの男の子は昔の人が着てるような軍服だ。
「分からないの。私にも。」
「まぁ、カール隊長ならなんか知ってるだろ。」
「カール隊長?誰?」
「俺達の隊長だ!」
タイミングよく、誰かが入ってくる。
「魅璃。起きたようだな。まだ熱もあるし、今日は寝てた方がいい。」
「カール隊長。お疲れさまです!」
「おぉ、フェルプス。傷の手当てを頼めるか?」
「また無理したんでしょ!全く、ここで待つ俺達のことも考えてくださいね。」
待って?さっき隊長、私の名前知ってたよね?!
「説明が遅れてすまない。落ち着いたら話す。」
よく見るとまだカール隊長は息を切らしている。
「大丈夫...ですか?」
「今、隊長は話すのも辛いんだ!空気読め。」
カール隊長の肩に包帯を巻いていたフェルプスが目を尖らせていった。
「ごめん。。」
「隊長、今日は一段とひどい怪我ですね。少し休みを貰って、治療に専念したらどうですか?」
「駄目だ...まだ戦わないと....。」
そこまで言うと、カール隊長の体がふらりとして...
フェルプスが抱き抱える。
カール隊長の顔色があまりにも悪くて、フェルプスもビックリしたようだ。
「まさかっ!毒にやられてたのか。くそっ」
私は、痛みを押して立ち上がった。
「私、解毒出来るかも!」
昔、医者だったお爺ちゃんの仕事を見てて、症状も薬の分量も全部分かる。
まさかこんなところで役に立つとは。