先生が発した一言でクラス全体がザワザワし始めた。

「今日から転校生がくる。先生は驚いたが、特に女子、騒ぐなよ?」

先生、なんで騒ぐなよなんて言ったんだろう。

「転校生くるんだー。」
「莉亜興味無さすぎない?先生が私たちに騒ぐなって注意するくらいだから、祐樹くんとかかもよ?」
と、彩華に言われた。

別にみんなに人気があるモデルはかっこいいとは思ったことがあるけどそこまで興味はない。祐樹くんだってそう。かっこいいなとは思うけど、べつに興味はないもん。

「いや来るわけないよ?サバサバしてる彩華でも転校生とかには興味あるんだー。」

それはそう。漫画でもあるまいし。
この学校は私立だけど今まで芸能活動をしてる生徒がいたことなんて聞いたことないし、
例え人気モデルの転校生が来ても別に興味はないんだよなー。

いつもサバサバしてる彩華も興味があるなんて珍しい。


ガラッ

ドアが開くと、クラスの女子がみんな揃って「きゃあー!!!」と声を上げた。

先生も、「静かに!」と言ってクラスの女子をなだめて、静かになったところで転校生の子が自己紹介をした。

「初めまして。今日からこの2年F組になります。本城祐樹です。よろしくね」
と、挨拶した彼はいつも彩華と一緒に見ている雑誌の中の彼だった。