遠くで鳥が鳴いている。
うっすらと目を開ける。
視界に入ってきたのは高く聳え立つたくさんの木々。
その奥にはかすかに光り輝く星空が覗いている。
いつもの橙色の天井ではない。
ここは.....?
パチッ、パチパチ
視界の隅に火花が見えた。
誰かが火を炊いているのか?
俺は目線をゆっくりと横に持っていく。
そこには2人の信頼出来る友がいた。
シュウとシャル?
シャルがシュウの肩を揺さぶりながら何か叫んでいる。
シュウは目線を焚き火に向けたまま微動だにしない。
.....シュウ?
どこか危なげに見えるその背中は小刻みに震えていた。
普段なら気にするはずの親友の異変。
俺は朦朧とした意識の中、それを気にもとめなかった。
俺が唯一考えたのはこの二言だけ。
おい二人とも何を喧嘩しているんだ.....?
仲直りちゃんとしろよ.....。
俺の意識は未だにハッキリとしない。
急速に眠気が俺を襲う。
眠気に抗えず、俺の視界は暗転し、再び深い眠りに落ちた。
・・・・彼はこの事を覚えてはいない。
───────
「うっ」
後頭部を何かにぶつけた衝撃で目が覚める。体が重い、まだ寝ていたいが頭の痛みがそれを許してくれないので仕方なく目を開けた。
目の前に広がる木々がここが森林フィールドであるという事を教えてくれる。つまり、俺たちは今、[森林フィールド]は町の西側に位置している。
これだけでは正確な現在地がわからないのでメニューからマップを開いて確認してみる。両手を使って四角を作ると青白く光るメニューが浮かぶ、そこからマップを選択するとメニューとは別の所にマップが表示された。今いるのは町から北西のダンジョンの近くだ、町からの距離は結構ある。
意識を失ったのが町の中だからシュウかシャルのどちらかまたはその二人に運ばれて来たのだろう。まあ、肝心の二人がここにいないのは気になるが...まあ、どうせ三人だと見つかりやすいからなんて考えたのだろう。
まぁあいつらのことだしどこかで生きてるだろう。
マップを閉じてメニューを確認してみる。
『残り1』
これは俺の命の数だ、最初は3つあったからもう2回死んだことになる。これをもともと3つも命があったことが異常と思えば少しは気持ちが楽になるというもの...まぁそもそもたかがゲームで死ぬのも異常なのだが。
他にもステータス、スキル、装備、所持品を確認する。ステータスはレベル1でHP、ST、MPが100ずつになっている、スキルは『錬成』と『断罪』そして戦士の初期スキルの『強撃』だけ、装備は暴虐の大剣ルヴァリアス以外は初期装備、所持品は初心者用回復アイテムのみだ。
暴虐の大剣ルヴァリアスはラスボスを倒したときに装備していた武器だ。この武器の能力は『防御無視』その名の通り相手の防御を無視してダメージを与える事が出来る、シンプルな能力だがそれ故使う場面を選ばない強力で非常に使いやすい武器だ。
次に今使えるスキルは3つ『強撃』は戦士の初期スキルでスタミナを消費して瞬間的に火力を上げるスキルだ。
次に『断罪』は悪魔、龍、魔族、魔王、PKプレイヤーに対してのダメージが増加するスキルだ。対象が決まっているがその効果は大きい。
最後に『錬成』これはラスボスを倒したときに手にいれた固有スキルだこのスキルは手にもつ物をどんな形にでも変型させるらしいがまだ手にいれたばかりで検証がすんでいないので詳しいことはわからない。
現状確認はこの辺にして今後の事について考える。まず、最終目標が現実世界に帰ることである。これを達成するにはこのゲームをクリアするか外部から何らかの干渉があり強制的にこのゲームが終了させられるの2つが現状考えられる。
ちなみに、この方法 は可能性の中でも達成させられる確率が高い。
この場合は適度に強くなりつつ外部からの干渉が期待できるのかを様子見した方がいいだろう。
仮に外部からの干渉が期待できない場合は、このゲームをクリアしなければいけなくなる。この場合、俺は俺たち三人の固有スキルが大きな意味を持つと思う、デスゲーム開始時に与えられた力。まるで地獄の中に垂らせれた蜘蛛の糸のような、暗闇の中にある小さな可能性。ここまであからさまに運営がなにかしてくるんだ、ただのボーナスな訳がないだろう。
まあ、どちらにせよ自分と仲間の命を守りこのゲームをクリアするためにも強くなる必要がある。そうすると近くにあるダンジョンでレベリングするのがいいだろう、ダンジョンは効率的に狩が出来るがトラップ等もあり普通のフィールドと比べて危険だ。デスゲームが始まる前は効率のいい狩り場は人気だったが実際の命がかかっている状況だと効率よりも安全性を重視するプレイヤーが大半だろう。今の俺にとってはモンスターよりもプレイヤーの方が脅威だからむしろダンジョンの方が安全かもしれない。
『錬成』の検証が終わり次第ダンジョンに向かうとしよう。
まずこの『錬成』だが手に持っている物の形を変えることができるみたいだ。試しにそこら辺に落ちている木の枝を拾って使ってみる。
「錬成」
頭の中にイメージしたのは装飾などがされていないシンプルな剣、木の枝はぐにゃぐにゃと形を変え頭の中のイメージに近づいていく。が手に持つ木の剣は刀身が途中で途絶えてしまっていて名前が『作りかけの木の剣』と言うふうに表示されている、おそらくイメージした剣に必要なだけの大きさがなかったのだろう。今度は木の枝数本と『作りかけの木の剣』でやってみる。
「錬成」
手元にはイメージ通りの木の剣があった、名前も『木の剣』となっている性能はまあ残念なものだが一応成功だ。この『錬成』はその素材の体積に応じてイメージしたものが作れるみたいだがその際に密度は弄れない。『錬成』は面白いが正直、非常に強力だとは言え無さそうだ。特に素材が乏しい序盤では今使ってる武器を越えるものは作れなさそうだ。まあ、さすがに初期装備の防具よりは良いものが作れるだろう、ダンジョンに向かいながら防具は作っていくとしよう。
モンスターを探しながら歩いていると少し開けた場所にフォレストウルフの群れを見つけた。こいつらは森に生息する狼形のモンスターである。一匹では大したことはないのだが数が揃うと連携をしだすため厄介だ。
数は6匹でレベルは一律3、2匹は向こうを向いているがこのまま進むと残りの4匹に見つかる。木の陰に隠れながらゆっくりと近づき残り4メートルの距離までこれた。
これ以上近づくとさすがに見つかるだろう。
ここで先ほど錬成した『木の剣』を取り出す、これを群れの向こう側に投げる。向こう側の木にぶつかり大きな音が鳴る、それにつられてフォレストウルフたちはその音がした方向を向いた。
(今だ!)
俺はすかさず駆け出して一番手前のフォレストウルフに大剣を振り下ろす。
「おらぁ!」
全身を使った一撃がフォレストウルフの首を的確に切り落しHPを0にする、まずは1匹。勢い余って大剣が地面に突き刺さり他の5匹に気づかれるがそのまま次の敵を狙う。
「強撃」
突き刺さったままの大剣をそのまま引きずり踏み込む、そしてスキル『強撃』を使用し、遠心力に体が持っていかれそうになるのを堪えながらおもいっきり切り上げる。下から攻撃され打ち上げられたそいつはHPを全て失った、すると残りの4匹はこちらの間合いから外れるように距離を取った。今の2匹は簡単に仕留める事ができたが距離をとられて仕切り直しになってしまったため少々厄介だ。
大剣を正面に構え直す。さあ、ここからは気が抜けない戦いだ。
うっすらと目を開ける。
視界に入ってきたのは高く聳え立つたくさんの木々。
その奥にはかすかに光り輝く星空が覗いている。
いつもの橙色の天井ではない。
ここは.....?
パチッ、パチパチ
視界の隅に火花が見えた。
誰かが火を炊いているのか?
俺は目線をゆっくりと横に持っていく。
そこには2人の信頼出来る友がいた。
シュウとシャル?
シャルがシュウの肩を揺さぶりながら何か叫んでいる。
シュウは目線を焚き火に向けたまま微動だにしない。
.....シュウ?
どこか危なげに見えるその背中は小刻みに震えていた。
普段なら気にするはずの親友の異変。
俺は朦朧とした意識の中、それを気にもとめなかった。
俺が唯一考えたのはこの二言だけ。
おい二人とも何を喧嘩しているんだ.....?
仲直りちゃんとしろよ.....。
俺の意識は未だにハッキリとしない。
急速に眠気が俺を襲う。
眠気に抗えず、俺の視界は暗転し、再び深い眠りに落ちた。
・・・・彼はこの事を覚えてはいない。
───────
「うっ」
後頭部を何かにぶつけた衝撃で目が覚める。体が重い、まだ寝ていたいが頭の痛みがそれを許してくれないので仕方なく目を開けた。
目の前に広がる木々がここが森林フィールドであるという事を教えてくれる。つまり、俺たちは今、[森林フィールド]は町の西側に位置している。
これだけでは正確な現在地がわからないのでメニューからマップを開いて確認してみる。両手を使って四角を作ると青白く光るメニューが浮かぶ、そこからマップを選択するとメニューとは別の所にマップが表示された。今いるのは町から北西のダンジョンの近くだ、町からの距離は結構ある。
意識を失ったのが町の中だからシュウかシャルのどちらかまたはその二人に運ばれて来たのだろう。まあ、肝心の二人がここにいないのは気になるが...まあ、どうせ三人だと見つかりやすいからなんて考えたのだろう。
まぁあいつらのことだしどこかで生きてるだろう。
マップを閉じてメニューを確認してみる。
『残り1』
これは俺の命の数だ、最初は3つあったからもう2回死んだことになる。これをもともと3つも命があったことが異常と思えば少しは気持ちが楽になるというもの...まぁそもそもたかがゲームで死ぬのも異常なのだが。
他にもステータス、スキル、装備、所持品を確認する。ステータスはレベル1でHP、ST、MPが100ずつになっている、スキルは『錬成』と『断罪』そして戦士の初期スキルの『強撃』だけ、装備は暴虐の大剣ルヴァリアス以外は初期装備、所持品は初心者用回復アイテムのみだ。
暴虐の大剣ルヴァリアスはラスボスを倒したときに装備していた武器だ。この武器の能力は『防御無視』その名の通り相手の防御を無視してダメージを与える事が出来る、シンプルな能力だがそれ故使う場面を選ばない強力で非常に使いやすい武器だ。
次に今使えるスキルは3つ『強撃』は戦士の初期スキルでスタミナを消費して瞬間的に火力を上げるスキルだ。
次に『断罪』は悪魔、龍、魔族、魔王、PKプレイヤーに対してのダメージが増加するスキルだ。対象が決まっているがその効果は大きい。
最後に『錬成』これはラスボスを倒したときに手にいれた固有スキルだこのスキルは手にもつ物をどんな形にでも変型させるらしいがまだ手にいれたばかりで検証がすんでいないので詳しいことはわからない。
現状確認はこの辺にして今後の事について考える。まず、最終目標が現実世界に帰ることである。これを達成するにはこのゲームをクリアするか外部から何らかの干渉があり強制的にこのゲームが終了させられるの2つが現状考えられる。
ちなみに、この方法 は可能性の中でも達成させられる確率が高い。
この場合は適度に強くなりつつ外部からの干渉が期待できるのかを様子見した方がいいだろう。
仮に外部からの干渉が期待できない場合は、このゲームをクリアしなければいけなくなる。この場合、俺は俺たち三人の固有スキルが大きな意味を持つと思う、デスゲーム開始時に与えられた力。まるで地獄の中に垂らせれた蜘蛛の糸のような、暗闇の中にある小さな可能性。ここまであからさまに運営がなにかしてくるんだ、ただのボーナスな訳がないだろう。
まあ、どちらにせよ自分と仲間の命を守りこのゲームをクリアするためにも強くなる必要がある。そうすると近くにあるダンジョンでレベリングするのがいいだろう、ダンジョンは効率的に狩が出来るがトラップ等もあり普通のフィールドと比べて危険だ。デスゲームが始まる前は効率のいい狩り場は人気だったが実際の命がかかっている状況だと効率よりも安全性を重視するプレイヤーが大半だろう。今の俺にとってはモンスターよりもプレイヤーの方が脅威だからむしろダンジョンの方が安全かもしれない。
『錬成』の検証が終わり次第ダンジョンに向かうとしよう。
まずこの『錬成』だが手に持っている物の形を変えることができるみたいだ。試しにそこら辺に落ちている木の枝を拾って使ってみる。
「錬成」
頭の中にイメージしたのは装飾などがされていないシンプルな剣、木の枝はぐにゃぐにゃと形を変え頭の中のイメージに近づいていく。が手に持つ木の剣は刀身が途中で途絶えてしまっていて名前が『作りかけの木の剣』と言うふうに表示されている、おそらくイメージした剣に必要なだけの大きさがなかったのだろう。今度は木の枝数本と『作りかけの木の剣』でやってみる。
「錬成」
手元にはイメージ通りの木の剣があった、名前も『木の剣』となっている性能はまあ残念なものだが一応成功だ。この『錬成』はその素材の体積に応じてイメージしたものが作れるみたいだがその際に密度は弄れない。『錬成』は面白いが正直、非常に強力だとは言え無さそうだ。特に素材が乏しい序盤では今使ってる武器を越えるものは作れなさそうだ。まあ、さすがに初期装備の防具よりは良いものが作れるだろう、ダンジョンに向かいながら防具は作っていくとしよう。
モンスターを探しながら歩いていると少し開けた場所にフォレストウルフの群れを見つけた。こいつらは森に生息する狼形のモンスターである。一匹では大したことはないのだが数が揃うと連携をしだすため厄介だ。
数は6匹でレベルは一律3、2匹は向こうを向いているがこのまま進むと残りの4匹に見つかる。木の陰に隠れながらゆっくりと近づき残り4メートルの距離までこれた。
これ以上近づくとさすがに見つかるだろう。
ここで先ほど錬成した『木の剣』を取り出す、これを群れの向こう側に投げる。向こう側の木にぶつかり大きな音が鳴る、それにつられてフォレストウルフたちはその音がした方向を向いた。
(今だ!)
俺はすかさず駆け出して一番手前のフォレストウルフに大剣を振り下ろす。
「おらぁ!」
全身を使った一撃がフォレストウルフの首を的確に切り落しHPを0にする、まずは1匹。勢い余って大剣が地面に突き刺さり他の5匹に気づかれるがそのまま次の敵を狙う。
「強撃」
突き刺さったままの大剣をそのまま引きずり踏み込む、そしてスキル『強撃』を使用し、遠心力に体が持っていかれそうになるのを堪えながらおもいっきり切り上げる。下から攻撃され打ち上げられたそいつはHPを全て失った、すると残りの4匹はこちらの間合いから外れるように距離を取った。今の2匹は簡単に仕留める事ができたが距離をとられて仕切り直しになってしまったため少々厄介だ。
大剣を正面に構え直す。さあ、ここからは気が抜けない戦いだ。
