これからの記憶をあなたと二人で

「もしさ、忘れられない人がいるなら

その人を忘れるための踏み台だとでも思って

くれていいよ」

ほら、こんなにも私を思ってくれてる。

忘れるためにも承諾しようと思っていたのに

なのに、なんでだろ声が喉に張り付いたみた

いに声が出ない。

「おい、」少し慌てた晴人の声がする。

どうしたの?と聞く前に何泣いてるんだと晴

人の声が聞こえる。

「え、泣いてなんか」ないと言おうと思った

ら頬に僅かに冷たさを感じた。