東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

カサリと音はするが、その間も刺さるような視線の気配に緊張感でどうにかなりそうだと思った。

彼は多分、この女恥ずかしげもなく、よくものこのこと来れたもんだなとか、どういうつもりだとか思っているに違いない。

ドキドキドキドキと階段を全速力で駆け上るような心臓の高鳴りに、息が詰まりそうになった。

ああ、もうだめ!ごめんなさいっ!
思い切り立ち上がった叶星は、膝に顔が付くほど頭を下げた。


「先日は、大変失礼いたしましたっ! 申し訳ございませんっ!」


シーンと何の音もしない。


そのまま十を数えてジッと待ったが、返事がない。

恐る恐る顔を上げると、相変わらず仮面のような表情を崩さないまま彼はゆっくりと口を開いた。

「なにが?」

「わ、私の態度が……」

彼は首を傾げる。

どう答えたらいいのか、叶星は焦った。

まさかと思うが、もしかして気にしていないとか? あの酷い態度に気づかなかったとか?