ずっと呼吸をする余裕もなかったのか、ゴクリと苦しげに喉が鳴った。
恐る恐る振り返ると、東堂副社長がジッと見ている。
――うっ!
「あ、あの、記事ができましたので、お、お持ちしました」
副社長の様子は、前回ここに来た時と変わらない。
「どうぞ、掛けて」
同じように落ち着いた声で、同じように促す。
叶星のほうは前回とは違って泣きたくなる思いで「はい」と答えた。
――またこの椅子に座ることになるとは。
敷き詰められた絨毯に吸い込まれていく足音が、一歩一歩と近づいてくるのを感じ、叶星はその度に自分が小さくなるような気がした。
いっそこのまま消えてしまえたら、どんなにいいだろうと思う。
副社長が先に腰を下ろすのを待って、叶星は抱えていたファイルを恭しくテーブルの上に置き、それから「失礼します」と、ソッと浅ーく腰を下ろし俯いた。
東堂副社長は無言でファイルを手に取る。
恐る恐る振り返ると、東堂副社長がジッと見ている。
――うっ!
「あ、あの、記事ができましたので、お、お持ちしました」
副社長の様子は、前回ここに来た時と変わらない。
「どうぞ、掛けて」
同じように落ち着いた声で、同じように促す。
叶星のほうは前回とは違って泣きたくなる思いで「はい」と答えた。
――またこの椅子に座ることになるとは。
敷き詰められた絨毯に吸い込まれていく足音が、一歩一歩と近づいてくるのを感じ、叶星はその度に自分が小さくなるような気がした。
いっそこのまま消えてしまえたら、どんなにいいだろうと思う。
副社長が先に腰を下ろすのを待って、叶星は抱えていたファイルを恭しくテーブルの上に置き、それから「失礼します」と、ソッと浅ーく腰を下ろし俯いた。
東堂副社長は無言でファイルを手に取る。



