東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

派遣社員が初めて顔を合わせる大企業の副社長に食ってかかるなんて、本当に酷すぎる。

桃花のことがあったとしても、それは別。
仕事なのだから、どう考えても常識ある社会人の行動ではなかった。

次に顔を合わせる時は、出来る限り腰を低くして、話す機会があるなら真っ先に謝ろう。

そうしなければ、自分の浅はかな行動のせいで『ヒムロス』の印象を下げてしまうことになる。

本当に申し訳ない。

憂鬱な気持ちを引き摺りエレベーターに乗って、叶星は密かにため息をついた。

――よくないなぁ。

本来、自分はこんなに短気ではなかったはずだ。

前職ではしっかりと立場を弁えていたし、もっと空気を読んでいた。

そもそも彼は、ひどい態度だったのだろうか?
よくよく考えるとそれも怪しくなってきた。

酷い言葉を言ったわけでもないし、感じが悪いと思ったのも、先入観がそう思わせたような気もする。

半年前の自分だったら、桃花の話を聞いたからといってもあんな態度は取らなかったと思うのだ。

絶対にあんな生意気な態度はとらなかったし、文句は心の中だけにしただろう。