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「こんな感じでどうでしょうか」
出来上がった副社長の記事を印刷して渡すと、ワコさんは興味津々とばかりに瞳を輝かせて手に取った。
「眼福眼福」とは副社長の顔写真のことだろう。
「写真、大き過ぎますか?」
「そんなことないわよ、いいんじゃないかしらこれで。副社長に確認してみてね」
「えっ? 確認、ですか?」
「当然よ。秘書の黒崎さんに頼めばいいわ」
――あ、秘書さんね。よかった!
「はい。わかりました」
印刷物で見てもらったほうがいいというので、早速届けることにした。
秘書に渡せばいいとはいえ、気が重いことには変わりない。
嫌なことは一秒でも早く済ませてしまいたかった。そうでないと、ずっと悩むことになる。
冷静になればなるほど、我ながらあの態度はなかったと思う。



