それから間もなくのことだった。
社内メールで、副社長の秘書からインタビューの答えが送られてきた。
見れば模範解答のような文言が並んでいて、叶星に対する苦情のようなものは一切追記されてはいなかった。
副社長からすれば、所詮短期の派遣社員。
小者過ぎて怒る気にもなれないのかもしれない。
理由はともあれ、今はまだ首の皮一枚繋がっているらしい。
すみませんでした副社長と心の中で頭をさげ、ホッとため息をつく。
クビが怖いわけではないが、『ヒムロス』に迷惑をかけてしまっては申し訳ない。
気を取り直し、叶星はペンケースの中にあるペンタイプのボイスレコーダーを取り出した。
実は上手く録音できていなかった時のために、最初からスイッチを入れておいたのだった。
イヤホンを繋ぎ早送りすると、やがて会話が聞こえて来た。
『三十分しか時間がないので、早速始めようか』



