母が聞いた話を詳しく教えてくれた。 彼らに目を付けた地元のギャングが仲間を呼んでいるのを、たまたま近くにいた芳尭が目にしたという。 何がどうなるかはわからないものだ。 もしかすると、叶星と大毅の赤い糸はその時から少しずつ形になっていったのかもしれない。 派遣社員の登録が『ヒムロス』だったことも、派遣先が『兎う堂』だったことも、縁がなければそのまま消えてしまったのかもしれない糸を更に強い物にしたのかもしれない。 ふと、叶星はそんなことを思った。