東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

「お母さんたら。そこは普通、玉の輿だって喜ぶところじゃないの?」

「なに言ってるの。玉の輿よりも、いい塩梅のそこそこが一番なのよ。とりあえず生活に困らない程度でね」

「大丈夫。私がんばるから。いまね、東堂家がどんな感じなのか別館に泊まって様子を見させてもらっているんだけど、使用人の人も皆優しいの。あとで紹介するからね」

「あ、もしかしてセイさんって方?」

「そうそう。お祖母ちゃんみたいに、頼りになる人。先代の頃からこのお屋敷にいるんだって。すごく良くしてくれるんだ」
母は安心したように、にっこりと頷く。

「お母さん、なんだかどこかのマダムみたい」

シンガポールで会った時は、父も母も日本にいた時と同じように量販店のごく普通の服を着て過ごしていた。

それが今日は、父も母も全身ブランド物で固めている。