「いらっしゃいませー」
マスターというよりは親父さんと言ったほうが似合う、明るい店主が元気な声で迎えてくれた。
入った途端来てよかったと叶星は胸を撫で下ろす。
半分以上が客で埋まっている店内は活気に満ちているし、女性同士の客が予想以上にいる。
店に入ったジュンくんがあちこちに挨拶しているところをみると、もしかするとジュンくん目当ての客もいるのかもしれない。
和風というだけあって、メニューは和食がメインで、カウンターの奥の壁に並んでいるお酒も日本酒や焼酎が多かった。
とりあえず夏野菜のサラダとジュンくんおすすめの煮込みとビールを頼む。
牛モツの煮込みは深い味噌味で、「うーん」と思わず唸るほどに美味しいと思うのは、東堂家ではモツの煮込みを食べたことがないからかもしれない。
それでも、美味しいと思えたことがうれしかった。



