東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18


「いらっしゃいませー」

マスターというよりは親父さんと言ったほうが似合う、明るい店主が元気な声で迎えてくれた。

入った途端来てよかったと叶星は胸を撫で下ろす。

半分以上が客で埋まっている店内は活気に満ちているし、女性同士の客が予想以上にいる。
店に入ったジュンくんがあちこちに挨拶しているところをみると、もしかするとジュンくん目当ての客もいるのかもしれない。

和風というだけあって、メニューは和食がメインで、カウンターの奥の壁に並んでいるお酒も日本酒や焼酎が多かった。
とりあえず夏野菜のサラダとジュンくんおすすめの煮込みとビールを頼む。

牛モツの煮込みは深い味噌味で、「うーん」と思わず唸るほどに美味しいと思うのは、東堂家ではモツの煮込みを食べたことがないからかもしれない。

それでも、美味しいと思えたことがうれしかった。