東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

懐かしい気持ちになって外を眺めると、
ふと思い出した。

――ここで彼と虹を見たのよねー。
綺麗だったなぁ。

東堂邸を出たらこのマンションに戻るのは辞めようと思った。
ここじゃなくて、ペットが飼える部屋がいい。

猫も一匹じゃ足りない。
せめて二匹は必要だ。

心の穴を埋めるにはそれでも足りないかもしれないけれど、でもここにひとりでいるなんて耐えられないと思うから。

寝室に入った時、チェストの上に飾ってある赤いリボンのプレゼントが目に入った。
彼の誕生日プレゼント。

「結局渡せなかったなぁ。 あ、そうだ」

密かに彼の部屋に置いておこうと思い立ち、バックの中にしまう。

それから叶星は、ひと息つく前にやるべきことを済ませることにした。

シャワーを浴びて、買った服の荷物を詰め直した頃には、長い昼もようやく終わり薄闇が落ちてきた。

今から店に向かったとして八時。