東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

荷物が多くなってしまったのだから仕方がないと言い訳をして、買い物自体が以前とは違うことにも気づく。

宝くじを当てる前は、こんなふうに一度に何着も買うことなどなかった。

それもこれも全て、覚えてしまった贅沢の味。

覚えてしまったこの快感は、麻薬のように沁み込んで、知らず知らずのうちに自分を変えてしまうのかもしれない。

だとしたら。

――私はもう二度と、恋なんて出来ないだろう。

叶星はそう思って、また悲しくなった、

極上の恋人。

彼を知ってしまった。

彼との記憶を塗り替えてくれる人なんて、この世にいるはずがない……。



マンションに戻っても、外はまだ明るかった。

暗い部屋に戻ったなら寂しかっただろうけど、明るい分、少しは心の中の晴れ間も残っている。

換気のスイッチはオンのままなので思ったほど空気が淀んでいる感じはしなかったけれど、
それでもまずは窓を開けた。