東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18


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いま必要に迫られているものはなんだろうと考えながら、叶星は百貨店に入った。

最初に思い立ったのは、部屋着。
自由な時間を部屋で過ごすよりも、最近は同じ別館でも一階のリビングやセイさんの部屋にいることが増えた。
通いの家政婦さんが相談事でセイさんを訪れてくることもあるし、居候の身なのでマンションにいる時のようなどうでもいい格好をしているわけにはいかない。

夏だからリネン素材のものがいいなぁ、などと考えながら
ふと自分に問いかけた。

――あそこにいつまで居候を続けるつもり?

それは……。
彼から連絡があるまで、でしょ?

帰ってくる時までとなると、それはまたちょっと違うかもしれない。
彼が住んでいるのは東堂邸ではなくマンションだ。
これまでも邸には月に数えるほどしか来なかったというのだから、彼が帰るのはマンションということになる。

そう考えると、
連絡さえつけば、叶星が東堂邸にいる必要はなくなるということだ。