「私は、私に冷たくされた恋人を守ろうとする息子は想像したけれど、恋人をおいて自分が出て行く子だとは考えもしなかったわ。なんなのかしら」
そもそもが全て夫人の予想外の展開だった。
西ノ宮叶星がすんなりと別れを受け入れた。多少の抵抗は見せると思ったのに、彼女はつまらないくらい反抗しなかった。おまえに、逃げ場を提供してくれと言い出すとは。
それでも勿怪の幸いと、彼女を別館に受け入れて観察することができたのだから、結果的にはよかったとも言える。
でも、大毅の失踪については想像すらしなかったし、考えようがない。
母の仕打ちにヘソを曲げて出て行くならわかるが、彼女のことも放置とはどういうことなのか。
「呆れてものが言えないわ」
「ところで。奥さまは、もう反対はなさらないのですか?」
「しないわよ。一度で十分」
「それはよかったです」
「セイさん」
「はい?」
そもそもが全て夫人の予想外の展開だった。
西ノ宮叶星がすんなりと別れを受け入れた。多少の抵抗は見せると思ったのに、彼女はつまらないくらい反抗しなかった。おまえに、逃げ場を提供してくれと言い出すとは。
それでも勿怪の幸いと、彼女を別館に受け入れて観察することができたのだから、結果的にはよかったとも言える。
でも、大毅の失踪については想像すらしなかったし、考えようがない。
母の仕打ちにヘソを曲げて出て行くならわかるが、彼女のことも放置とはどういうことなのか。
「呆れてものが言えないわ」
「ところで。奥さまは、もう反対はなさらないのですか?」
「しないわよ。一度で十分」
「それはよかったです」
「セイさん」
「はい?」



