東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

門下生ならば皆が知っていることだが、それは門下生だけの、親兄弟も知らない公然の秘密となっている。なので、ここは安心して身を寄せることができる場所だった。

そして、いま師匠は『いない』とは言わずに、具体的『今朝ここを立った』と答えた。
この場合は本当のことを言っていることになる。

大毅は今朝まで、本当にここにいたのだ。

やはり大毅はここに来た。
満足にも似た気持ちに、仁は薄っすらと微笑んだ。

「いつ来たんですか?」

師匠は「昨日の午後」と答えた。
ということは、彼はまっすぐここに向かったのだろう。

すぐに来れなかったことは少なからず悔やまれたが、せめて数日は探さずに、そっとしてあげたいという思いあったのも事実である。
なので首をもたげた後悔の念は、簡単に払拭された。
今日はまだ二日目。

ここへ来て、彼は答えを見つけることができただろうか。