東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

気持ちはいつだってポケットに向いているので、気づかないはずはないが、それでもスマートホンを手に取った叶星は、念のため通知を確認した。

やはり、メールも何もない。

「まあ、まだいなくなって二日しか経っていないからね。どこで何をしているんだか、今日は坊っちゃんの誕生日なのにねぇ」

月曜日は七夕。彼の誕生日だ。

夏らしい涼し気な花が活け終わると、セイさんが言った。

「一旦花瓶から外して、今覚えたことを思い出しながら、坊っちゃんの部屋に活けておやり」

「はい」

頬を染めて頷く叶星に、セイさんはにっこりと頷く。
その微笑みはゆっくり見ておいでと語っていた。

――ありがとうございます。セイさん。



ずっと入ってみたいと思っていた彼の部屋。

扉の前に立った叶星は、熱くなる胸を冷ますように、心の中で留守中にごめんなさいと彼に謝った。